研究課題/領域番号 |
16790252
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
高屋 明子 千葉大学, 大学院薬学研究院, 講師 (80334217)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 緑膿菌 / Lonプロテアーゼ / 病原因子 / クオラムセンシング / タイプIII分泌蛋白質 / Lon / Lon2 / LVFX |
研究概要 |
代表的な日和見感染症原因菌である緑膿菌が病原性発現するためには、様々な病原因子が関与している。我々が昨年までの研究から、緑膿菌はLonプロテアーゼとLonと相同性の高いLonHを有しており、これらの欠損株において病原因子であるピオシアニン分泌が増加することを見出した。このうちLonによるピオシアニンの産生は、緑膿菌クオラムセンシング(QS)システムの一つRhlサーキットによって制御されることが示唆された。LonによるRhlサーキットの制御機構の詳細について検討した結果、LonはRhlサーキットの制御に関るもう一つのQSシステム、Lasサーキットを負に制御していることを見出した。Lasサーキット制御には制御因子LasR、AI産生因子LasIの二つの制御タンパク質が関与している。Lonによる制御がLasR、LasIのどちらを介するのかを明らかにするため、Lon欠損株にLasR欠損を導入し、作成した抗LasI抗血清を用いて細胞内LasI量を検討した。その結果、Lon欠損株ではLasIが顕著に増加しており、またLon・LasR二重欠損株でも顕著に増加していた。LonがLasIの安定性に関る可能性を考え、パルス・チェイス法によりLasI安定性を野生株およびLon欠損株で比較した。その結果、LonはLasIの細胞内安定性に関ることが明らかとなった。又、抗RhlR抗血清を作成し、野生株、Lon欠損株、LonH欠損株、Lon・LonH欠損株の細胞内量を比較した。その結果、LonH欠損株は野生株と同等であったが、Lon・LonH欠損株のRhlR量がLon欠損株よりも顕著に増加していた。このことから、LonHはLonと類似の機能を持つことが示唆された。以上の結果より、緑膿菌のLonはLasIの分解を介してQSシステムを負に制御する因子であり、タイプIII分泌蛋白質を含む多くの病原因子の制御に必須であり、又、LonHも弱いもののQS制御に関ることが明らかとなった。
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