研究課題/領域番号 |
16790277
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
白土 東子 (堀越 東子) 国立感染症研究所, ウイルス第2部, 研究員 (60356243)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ノロウイルス / Virus-like particles / レセプター / 血液型抗原 / 血液型物質 |
研究概要 |
プロトタイプNorwalk virus 68株が血液型抗原を認識することが報告されている。しかし、ノロウイルス全体の総括的な血液型抗原結合パターンは理解されているとは言い難い。昨年度、研究代表者は14種類の遺伝学的に異なるウィルス株と唾液中の血液型抗原との結合パターンをSaliva-VLP (virus-like particle) binding assayにより検討し、遺伝学的、血清学的に近縁のウイルス株は共通の血液型抗原を認識すること、また血液型抗原に結合しない株(14株中3株)もあること明らかにした。今年度は、合成糖鎖を用いたCarbohydrate-VLP binding assayにより血液型抗原上のどの糖が結合に重要なのかを検討した。その結果、ノロウイルスの糖鎖認識パターンには次の法則性があることを明らかにした。1)ノロウイルスと血液型抗原との結合にはガラクトースとアセチルグルコサミンをつなぐlinkageが1-3であることが重要である。2)A型抗原への結合、B型抗原への結合どちらの場合も、フコースが重要な役割を担っている。ノロウイルスは遺伝学的、血清学的に多様であるため、ワクチンによる予防は困難であるが、レセプターへの結合を阻害する薬剤による予防は効果が期待できる。このためにも糖鎖上のウイルスとの結合部位の同定は必須であり、以上の結果は結合部位同定の足がかりとなると考えられる。また、世界的な流行株とされるGII/4株と遺伝学的に同じクラスターに属するウイルス株は、結合できる血液型抗原の種類が他のクラスターの株に比べ多いとの結果も得ており、これにより、結合できる血液型抗原の種類が多いウイルス株ほど、感染可能なヒトが増え、流行の規模が大きく可能性が示唆された。
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