• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

市場理論を応用した医療における情報の非対称性緩衝に向けた研究

研究課題

研究課題/領域番号 16790300
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 医療社会学
研究機関岐阜大学

研究代表者

谷口 泰弘  岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90359737)

研究期間 (年度) 2004 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワード情報の非対称性 / 逆選択 / モラルハザード / レモン市場 / エージェンシー問題
研究概要

医療における情報の非対称性が1960年代から指摘され、インフォームド・コンセントの法理を成熟させる諸活動、リスクマネジメント等の医療者側の取組みによって問題を克服する試みがなされてきた。しかし、患者側の視点も交えた全体的な機会集合での取組み無しには医療における情報の非対称性を緩衝させるための更なる発展は期待できない。本研究は、情報の非対称性が存在した上で取引が成立する社会経済活動の中から対処方法等を検討し、特殊領域とされる医療の場において、この問題がどのように関係するのかを検討した。平成16年度に実施した、逆選択、モラルハザード、エージェンシー関係を問題群とする基礎研究をもとに、平成17年度は研究の総括を試みた。考察として、医療における情報の非対称性を緩衝させる取組みを具体化するには、ステークホルダー間の視点をマッチングさせることが肝要である。有限資源の社会であることを再認識し、情報の非対称性を知識由来のものに限定する傾向を断つことが重要である。自己決定の実質を向上させるには、医療者(代理人・専門家)と患者(依頼人・非専門家)の対比だけでなく、人的、物質的、時空的な各資源や周辺状況等の問題群の調整が求められる。また、正確な医療の質・医療提供条件の個別的な評価が難しい状態を解消する必要がある。他市場と違い、価格と平均的な質をリンクできない環境下では適正な医療資源配分は難しく、患者の選択困難が続く。「標準化論」への批判もあるが、政策主導の良質の大規模臨床試験のような臨床研究を実行し、医療者および患者が容易にアクセスできる科学的根拠に基づく医療が行われるための質向上に向けた基準づくりが求められる。単に標準的医療の最終的なガイドラインに留めず、科学的知見をベースに個別的な医療を実行するための道具としての手法開発が重要である。バージョンアップを図り、継続性のある当時の最良な医療提供に向けた工程の確立が重要である。また、医学的および経営的視点を兼ね備えたMBA等の資格を持つ医師・看護師の養成と配置、さらに、患者側の意識改革を促すことの必要性も指摘できる。医療を社会の重要なエレメントとして学ぶ機会の提供が肝心である。「主張すること」と「協力すること」の両者がうまく噛み合わないと社会は機能しない。日本は人口動態および社会経済動態等の規模の克服がいつも議論の場に上る。医療の質を高めるための社会的コストの計上を一体となって考える必要がある。パブリックコメントの利用を高める等、民意を反映させつつ政策論、制度設計、評価の在り方を思慮すべきである。

報告書

(2件)
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] バイオエシックスにおける社会的意思決定要因の動向2006

    • 著者名/発表者名
      谷口泰弘
    • 雑誌名

      社会医療研究(日本社会医療学会雑誌) 4・1(In Press)

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 医療の情報の非対称性緩衝に向けた研究2005

    • 著者名/発表者名
      谷口泰弘, 塚田敬義
    • 雑誌名

      生命倫理(日本生命倫理学会雑誌) 15・1

      ページ: 151-158

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 医療の情報の非対称性緩衝に向けた検討2005

    • 著者名/発表者名
      谷口泰弘
    • 雑誌名

      生命倫理(日本生命倫理学会雑誌) 15・1(掲載予定)

    • NAID

      110006858312

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書

URL: 

公開日: 2004-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi