研究課題/領域番号 |
16790331
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
高田 晶子 川崎医大, 医学部, 助手 (30278957)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 珪酸塩化合物 / アポトーシス / Annexin-V / caspase-3 / 石綿肺症 / chrysotile B / じん肺症 / PBMC |
研究概要 |
本研究の目的は、珪酸塩化合物により惹起されるヒト免疫異常のメカニズムを解明することである。これまでの我々の研究結果より、in vitroでは、じん肺症症例の末梢血単核細胞(PBMC)は珪酸塩化合物であるchrysotile B (CB)と共培養しても、アポトーシスが起こり難いことが想定されるが、その詳細な検討は行っていない。そこで本年度ではまず、健常人PBMCのCB誘導アポトーシスについて、Annexin-V法によるアポトーシス検出ならびに活性型caspase-3検出を行った。健常人3名のPBMC(1×10^6個/ml/well)を1〜7日間CB(50μg/ml)と共培養したところ、非添加群に比して添加群では培養時間が長いほど、アポトーシス細胞(Annexin-V陽性細胞)(%)および活性型caspase-3陽性率(%)が高値を示したものの、健常人の間での差(個人差)が認められた。そこで、この個人差が単に実験操作上の差ではないことを確かめるために、上記健常人3名のPBMCについて、3〜6日間CBと共培養した時のアポトーシス検出を3回通り行った。上記の結果と同様に個人差がみられたことより、健常人を10名に増やしてPBMCを3〜6日間CBと共培養した。その結果、添加群と非添加群の差、すなわちCBによって誘導されるアポトーシス細胞(%)および活性型caspase-3陽性率(%)は、培養5日目で最も高かった。本研究で用いたCBは石綿の1種である。そこでじん肺症症例の中でも石綿肺症症例(n=10)に限定し、5日間培養でのCB誘導アポトーシスについて健常人の場合と比較検討した。CBによって誘導されるアポトーシス細胞(%)および活性型caspase-3陽性率(%)は両者の間で有意差がみられなかったが、健常人と同様、症例間でも個人差がみられた。従って、PBMCをCD3およびCD28に対する抗体、あるいはPHAなどのマイトジェンで刺激してT細胞を活性化した状態、おそらくはこうすることで個人差が目立たなくなると思われるが、この時のCB誘導アポトーシスについて検討する必要があると思われた。
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