研究概要 |
本研究の目的は、マルチプレックス1塩基伸長反応による各染色体上の50座位のSNPs同時検出法を確立し、親子鑑定、個人識別等のDNA鑑定に利用することである。17年度は16年度に構築した42座位のSNPs同時検査法に新たなSNPsを加えた検出条件の確立を目指した。実施内容としては、まず、JSNP databaseを用いて、IMS-JST118076(Chr15),IMS-JST094296(Chr15),IMS-JST001148(Chr16),IMS-JST187427(Chr16),IMS-JST012387(Chr17)の合計5座位の増幅プライマーを設計し45-plex PCRで47座位のSNPsを同時に増幅した。 次に、IMS-JST118076をグループDに、その他の4座位をグループFに分類し、グループ内で座位ごとに長さを変えてSNPs検出用プライマーを設計した。鋳型DNAに、検出用プライマー、ABI PRISM SNaPshot Multiplex Kitの反応液を添加しMultiplex 1塩基伸長反応を行った。1塩基伸長反応により各プライマーから生成した長さの異なる蛍光標識フラグメントをABI PRISM 310 Genetic AnalyzerでMulti injection法により一度に検出し、Gene Scan Analysis Softwareにより解析した。 この結果、グループFでは3座位の追加に成功し合計42座位の同時検出ができた。また、PCRの反応を促進させる添加物であるDMSOによる増幅効率の改善も認められた。しかしグループC及びDでピークが認められなくなった座位も出現したため、更なる条件検討が必要であると考える。今後は、詳細な条件検討とともにさらに座位数を増やし、法科学的試料においても判定が可能な検査法の構築が必要であると考えられる。
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