研究課題/領域番号 |
16790373
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般(含心身医学)
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
明石 嘉浩 聖マリアンナ医大, 医学部, 助手 (40350615)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | takotsubo / タコツボ型心筋症 / 冠動脈内圧 / 冠微小循環 |
研究概要 |
タコツボ型心筋症にて入院された患者様8名対し、急性期と慢性期にそれぞれ心臓カテーテル検査を施行した。全例で正常冠動脈の形態を呈し、特に急性期では特徴的なタコツボ様の左室造影所見を右前斜位像で呈していた。急性期スワンガンツデータからは平均肺動脈楔入圧は8.0±3.9mmHgを示し、平均心係数は2.0±0.41/min/m^2を示し、急性期の血行動態はForrester IIIを呈することが初めて解った。左室造影より求めた左室駆出分画は急性期が42.8±8.7%であったものが、自然経過で慢性期に66.5±7.9%へ有意な改善を示した。慢性期にアセチルコリンを用いた冠攣縮誘発試験を施行し、過去の研究と同様、全例陰性であることを確認した。発症急性期と発症3ヶ月後の慢性期に^<123>I-MIBG心筋シンチグラフィーを撮影した。以前からの報告の通り、SPECT像での急性期の心尖部における著明な集積低下と、3ヶ月後の慢性期にまで遷延する集積回復過程が観察された。MIGB planner像より計算されたH/M値と洗い出し率(%)は、急性期H/M後期の値が1.89±0.25であったものが、慢性期H/M後期の値が2.13±0.17と有意に改善していた。洗い出し率も急性期が39.1±10.3%と有意に高値であったものが、慢性期には25.4±6.3%にまで正常化していた。以上の結果より、タコツボ型心筋症患者の冠血流は正常であるものの、心臓交感神経が極めて強く障害を受けることが解った。慢性期の冠循環障害は極めて軽く、本疾患が冠攣縮による流低下に伴い、壁運動異常を呈する可能性は極めて低いことが解った。今後は更に微小循環がどれほど障害されているかを検討する必要がある。また、依然として症例数が極めて少ないため、信頼できるデータを得るためにも更なる症例の追加が必要と思われる。
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