研究課題/領域番号 |
16790407
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
吉田 隆文 久留米大学, 医学部, 助手 (30368899)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 慢性肝炎 / 肝硬変 / 肝癌 / メチル化 / SOCS-1 / 肝線維化 / 肝発癌 / C型肝炎ウイルス / サイトカイン / SOCSファミリー / DNAメチル化 |
研究概要 |
近年サイトカインによる細胞内シグナル伝達経路の解明が進んでいる。そして我々は、重要なサイトカインシグナル経路であるJAK-STAT系の内因性抑制因子であるSOCSをクローニングした。一方で多くの炎症性疾患においてサイトカインシグナル伝達経路の異常が報告されている。このような背景より、SOCSの炎症性疾患とりわけ慢性肝炎、肝硬変における役割を検討した。 まず慢性肝炎および肝硬変患者の肝組織よりDNAを抽出しメチル化特異的PCR法によってSOCS-1遺伝子のメチル化の検出を行った。そこでSOCS-1の遺伝子のメチル化は慢性肝炎から肝硬変へと病態が進行につれ頻度が増すことを明らかにし、さらにメチル化が検出された症例では、その後の経過中に肝癌の発生がメチル化が検出されなかった症例に比べて、約2倍の頻度で増すことがわかった。また、我々はSOCS-1のノックアウトマウスを用いて肝炎、肝線維化を起こした際にSOCS-1ノックアウトマウスではコントロール群に比べて有意に肝炎、肝線維化が増悪することを確認した。さらに肝臓における発癌もSOCS-1ノックアウトマウスで著明であった。これらのことからSOCS-1は肝線維化、肝発癌において抑制的に働いていることを証明した(Yoshida T et al, The Journal of Experimental Medicine 2004.199(12).1701-1707)。 さらに我々はもう一つの重要なサイトカインシグナル伝達系Ras-MAPK系の抑制因子Spredをクローニングにした。そこで現在、Spredの肝癌などにおける役割を検討している。現在までのところSpredは肝癌の増殖のみならず転移能、浸潤能をも抑制することを確認した。今後、ヒト肝癌組織に加え慢性肝炎、肝硬変組織でのSpredの発現などを検討する予定である。
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