研究課題/領域番号 |
16790409
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | (財)岐阜県国際バイオ研究所 |
研究代表者 |
中川 義仁 (財)岐阜県国際バイオ研究所, 遺伝子診断研究部, 研究員 (60372108)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | FHIT / 大腸癌 / NF-κB |
研究概要 |
前年度の研究において1.FHIT遺伝子由来の蛋白であるFhit蛋白が低発現のSW480細胞にFhit蛋白を強制発現すると細胞増殖が親細胞株に比べ著明に抑制された、2.Fhit蛋白が発現しているDLD-1細胞にRNA干渉法にて親細胞株のFhit蛋白発現を低下させると細胞増殖の増大がみられた、3.SW480細胞のFhit蛋白強制発現細胞株(SW/FHIT細胞)は酸化ストレスに対して感受性が高く、I-κB-αのリン酸化型の発現の低下が見られた。 今年度はFhit蛋白とNF-κB系のシグナルの関連について調べた。まずDLD-1細胞にRNA干渉法にて親細胞株のFhit蛋白発現を低下させるとI-κB-αのリン酸化型の発現の増加が見られた。またミトコンドリアの電子伝達系阻害剤であるロテノンの投与により酸化ストレスを負荷すると、controlの細胞では24時間後にI-κB-αのリン酸化型の発現が著明に増加するのに対して、SW/FHIT細胞ではほとんど変化が見られなかった。以上の結果からFhit蛋白がI-κB-αのリン酸化に重要な役割を果たすことが示唆された。さらにSW/FHIT細胞にTNF-αを投与し、NF-κB系のシグナルの変化を調べた。I-κB-αのリン酸化の上流に当たるIKK(IKK-α、IKK-β、IKK-γの複合体)はこれらの蛋白のリン酸型も含めcontrolの細胞とSW/FHIT細胞の間でとくに経時変化による発現量の推移に差異は見られなかった。しかしながらSW/FHIT細胞では、I-κB-αの下流に当たるリン酸型NF-κBp65がリン酸型I-κB-αの経時変化による発現量の推移と同様に抑制されていた。よってFhit蛋白はI-κB-αのリン酸化に直接影響を与え、NF-κBシグナルを不活化させている可能性が示唆された。以上の結果はExperimental Cell Research誌に・Fhit protein inhibits cell growth by attenuating the signaling mediated by nuclear factor-κB in colon cancer cell lines・のtitleで掲載予定である。
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