研究課題/領域番号 |
16790520
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 独立行政法人国立健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
笠岡 宜代 (坪山 宜代) 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 生活習慣病研究部, 研究員 (70321891)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 肥満 / 生活習慣病 / 熱産生 / 脂質燃焼 / 肝臓 |
研究概要 |
肝臓は一日の消費エネルギーの約20%を占める組織であること、肥満患者では脂肪肝が認められる例が多く、肝臓の脂質代謝低下が生活習慣病の発症に関与している可能性があることから、本研究では肝臓で脂肪燃焼を促進させたUCP2過剰発現トランスジェニックマウスを作成する。このトランスジェニックマウスを用いて生活習慣病の発症が肝臓の脂肪燃焼促進により改善するか否か解析した後、3種類のUCPs過剰発現トランスジェニックマウス(既に作成した脂肪組織、筋肉も含む)の表現型を比較検討し、どの組織の脂肪燃焼をどの程度増加させると生活習慣病の予防に最も有効であるか明らかにする。 本年度は昨年度作成した肝臓特異的にUCP2を過剰発現させるトランスジェニックマウスを解析した(2ライン)。外来性UCP2の発現レベルは、Aラインは軽度(2倍)過剰発現、Dラインは高度(10倍)過剰発現であった。 高度過剰発現Liver-UCP2トランスジェニックマウス(10倍、Dライン)は、通常食で飼育した場合に、体重、肝臓、脾臓、腎臓、筋肉などの組織重量が有意に小さくなっていた。しかし、体脂肪の減少は認められなかった。このマウスに高脂肪食を3ヵ月間与えたところ、野生型マウスと同様にトランスジェニックマウスでも肥満を発症し、インスリン抵抗性も改善しなかった。軽度過剰発現Liver-UCP2トランスジェニックマウス(2倍、Aライン)にも高脂肪食を3ヵ月間与えたが、やはり肥満/インスリン抵抗性は改善しなかった。 以上の結果から、肝臓でUCP2を増加させても生活習慣病の改善効果は少ない事が示唆された。現段階では、生活習慣病治療には脂肪組織でUCP2を増加させる因子をターゲットにすることが効果的と考えられる。
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