配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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研究概要 |
アクアポリン-2(AQP-2)promoterを用いて浸透圧反応部位の存在を明らかにした。AQP-2の5'上流域(-10.5kbまで)の解析で,高浸透圧反応部位がtonicityresponseenhancer(TonE)(-570〜-560bp)とこれとは構造の異なる未知の部位(-6.1〜-4.3kb)にあることを示した。これらの浸透圧反応部位はアルギニンバソプレシン(AVP)と独立してAQP-2の転写調節に関与している。本年度の研究では,低浸透圧培地がAQP-2promoter活性に直接影響するかを検討した。マウスAQP-2遺伝子5,上流-1.1kb遺伝子(-1.1AQP2),-6.1kb遺伝子(-6.1AQP2)および-0.36kb遺伝子(-0.36AQP2)をPGL3 basic vectorのルシフェラーゼ(LUC)遺伝子上流に組み込み,AQP-2遺伝子とともにmIMCD_3細胞に共発現した。低浸透圧培地(225mmol/kg)に細胞を孵置して,LUC活性を測定した。-1.1AQP2とAQP-2遺伝子を共発現したmIMCD_3細胞では,低浸透圧培地に孵置してもLUC活性は対照浸透圧培地(300mmol/kg)と差違が認められなかった。5μMdibutyryl cAMP(DBcAMP)で24時間処置すると,LUC活性は対照培地では225.4±16.5%増加したが,低浸透圧培地では127.4±7.5%にとどまり有意に減弱した。また低浸透圧培地(225mmol/kg)に過剰の尿素を加えて等張とした培地でも5μMDBCAMPによるLUC活性の増加はみられなかった。同様の成績は,-6.1AQP2とAQP-2の共発現した細胞でも認められた。一方,TonEを含まない-0.36AQP2では,5μMDBcAMPによるLUC活性の増加は低浸透圧培地下でも抑えられなかった。これらの成績から,AQP-2遺伝子5'上流に存在するTonEは浸透圧反応部位として,高・低浸透圧を感受してAQP-2発現に関わることが示唆された。低浸透圧下でみられるcAMPに対するAQP-2promoter活性の減弱は、invivoで示唆されたAVP過剰状態でのAVPescape現象の発現に関係することが想定される。
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