研究概要 |
1)抗E3/LAPTm5抗体によるSjogren症候群患者の唾液腺組織の免疫染色: E3/LAPTm5のペプチドをウサギに免疫し、抗体を2種類作製した(B0231,B0232)。 HEL細胞株を陽性コントロール、ODA細胞株を陰性コントロールとして免疫染色を行った。 HEL株はB0231により染色されるが、B0232では染色されなかった。ODA株はB0231,B0232いずれにも染色されなかった。以上の点を考慮し、B0231を唾液腺組織の染色に用いることとした。 正常リンパ節の染色を行ったが、germinal centerには染色されず、わずかに染色されるのみであった。正常唾液腺染色では導管にわずかに染色されたが、腺房細胞は染色されなかった。 Sjogren症候群患者の唾液腺14検体をB0231抗体で免疫染色した。内訳は男性3例、女性11例であった。うち眼病変を4例に認めた。リウマチ因子高値が7例、正常は1例、未測定は6例であった。抗SS-A抗体陽性は7例、陰性が6例、疑陽性が1例であった。患者唾液腺組織の染色では、唾液腺周囲に浸潤するリンパ球はほとんど染色されず、浸潤リンパ球の1%以下しか染色されなかった。Sjogren症候群患者の唾液腺組織には抗LAPTm5抗体では染色されなかった。 2)ELISA法による患者血清中の抗E3/LAPTm5抗体の測定: E3/LAPTm5のcDNAをPCRで増幅しpGEX-3Xベクターに組み込み、BL21にトランスフォームし、IPTGで誘導させた。E3/LAPTm5蛋白とGSTの融合蛋白の発現を試みたが、十分に発現誘導できずベクターをpGEX-3XベクターよりpET44aベクターに変更して継続中である。
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