研究課題/領域番号 |
16790560
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
膠原病・アレルギー・感染症内科学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
永井 立夫 帝京大学, 医学部, 助手 (60365947)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 抗リボソームP抗体 / 全身性エリテマトーデス / IFN-γ / IL-12 / Th1 / ヒト末梢血単球 / リボソームP抗原 / TNFα / IL-6 / Fcγ受容体 |
研究概要 |
抗リボソームP抗体は全身性エリテマトーデス(SLE)に非常に特異性の高い自己抗体で、本抗体とSLEのいくつかの病態との関連が明らかにされているが、その病因論的意義については不明である。本年度は、これまで未検討である抗リボソームP抗体がTh1/Th2型反応におよぼす影響を検討した。 抗リボソームP抗体はSLE患者血清からアフィニティー精製により得られた。対照として健常人IgGおよび抗リボソームP抗体を除いた同じ患者IgG分画を用いた。 1.対照IgGに比し、抗リボソームP抗体とともに120時間培養した健常人PBMCの培養上清中のIFN-γは有意に上昇しており、この効果はマウス抗IL-12抗体を添加することにより抑制された。同じ上清中のIL-4は検出限界以下であった。 2.フローサイトメトリーによる解析の結果、抗リボソームP抗体はCD14陽性細胞表面のCD80およびCD86の発現に影響をおよぼさなかった。 3.抗リボソームP抗体は、抗CD3抗体64.1にて刺激した健常人末梢血CD4陽性T細胞のIFN-γの産生に影響をおよぼさなかった。 4.抗リボソームP抗体は、対照IgGに比し、健常人末梢血単球のIL-12の産生を有意に促進することが示された。 以上の結果から、抗リボソームP抗体はヒト末梢血単球からIL-12の産生を促進することによりTh1型反応を誘導すると考えられた。抗リボソームP抗体はTh1型反応を誘導することにより、SLEの様々な病態に関与する可能性が示唆された。今後の課題として、フローサイトメトリーにてCD4陽性T細胞内のIL-4を測定する系を確立し、抗リボソームP抗体がIL-4の産生に影響をおよぼしていないか確認する必要がある。
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