研究課題/領域番号 |
16790580
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
山田 博司 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (30343304)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ウイルス / インフルエンザ / 脳症 / CPT2 / VDAC / インフルエンザ感染 / インフルエンザ脳症 / ミトコンドリア機能障害 / プロテアーゼ |
研究概要 |
インフルエンザウイルス感染は、特に小児において、しばしば重篤化し、脳症を発症して死に至らしめることがある。また、脳症を発症すると後遺症の残ることが多く、現在の日本の少子化社会において、国民に大きな不安を引き起こしており、発症機序の解明と治療法の確立が強く望まれている。これまでに当研究室で取り扱った42症例のインフルエンザ脳症の検体から、ミトコンドリアの脂肪酸代謝障害を示す症例が高頻度に検出されており、本研究では、さらに、100近くのインフルエンザ脳症の検体から、同意を得て、ゲノムDNAを抽出し、ミトコンドリアの脂肪酸代謝に関わるcarnitine palmitoyltransferase2(CPT2)およびβ-酸化に関わる酵素複合体のプロモーター領域と蛋白質をコードする領域の塩基配列を網羅的に解析した。その結果、CPT2をコードする領域において、以前に見つけた遺伝子変異(スニップ)に加えて、新たに数種類のスニップを発見した。これらのスニップを持つCPT2発現プラスミドを作製し、細胞にトランスフェクトして、活性を測定すると、wild-typeのものより、有意に活性が低下していた。また、この変異CPT2発現細胞では、β-酸化の低下も見られ、これらのCPT2遺伝子のスニップは、インフルエンザ脳症の危険因子であると考えられる。現在、恒常的にこれらの変異CPT2を発現する細胞を作製中であり、それらの細胞を用いて、インフルエンザウイルス感染、鎮痛解熱剤に対する細胞膜透過性の変化を検討する予定である。 次に、インフルエンザ脳症において発現が増加するvoltage-dependent anion channel(VDAC)-1,2,3を恒常的に発現する細胞を作製した。現在、これらの細胞を用いて、インフルエンザウイルス感染、鎮痛解熱剤投与におけるVDACの発現変化を高感度に検出できるシステムを作製中である。 また、変異CPT2を発現するマウスを作製するために、CPT2遺伝子をノックアウトした細胞を作製中である。
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