研究課題/領域番号 |
16790612
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胎児・新生児医学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
山枡 誠一 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (40315990)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | テトラヒドロビオプテリン / 胎児 / 胎盤 / プロテインS / 凝固線溶系 / 葉酸 / 胎盤機能不全 / 一酸化窒素 / 子宮内胎児発育遅 / ビオプテリン |
研究概要 |
1.これまでの研究で、Tetrahydrobiopterin(BH_4)が胎児側より血流を介して供給されている可能性が高いことが明らかとなった。このSalvage回路において、BH_4と葉酸代謝が競合する可能性がある。そこで、臍帯血中Biopterinと葉酸濃度を測定し、出生体重およびドップラー超音波で計測した臍帯動脈血流との相関を検討した。結果、出生体重および臍帯動脈血流とBiopterinおよび葉酸濃度との間に明らかな相関は認められなかった。このことから、胎盤のSalvage回路活性は、かなりの余裕をもって存在している可能性が示唆された。 2. BH_4によって賦活産生される一酸化窒素には血小板凝集抑制作用がある。胎盤機能不全症例の胎盤絨毛の母体側表面には、著明なフィブリン沈着がしばしば認められ、胎児-母体血間の物質交換が阻害される。そこで、血液凝固とBH_4代謝の関連について検討するために、血液凝固制御因子であるProtein Sの母体血レベルを測定し、その胎盤における沈着を免疫組織学的に検討した。その結果、血中Protein Sが低下すること、Protein Sが妊娠中期後期の胎盤絨毛に沈着することが判明した。これらのことから、妊娠中期以後の胎盤絨毛表面において凝固系およびその阻害系が活発に連動していることが判明した。同時期の母体血中Biopterinも有意に低下することから、BH_4需要も高いことが示唆された。胎盤機能維持には、絨毛の母体側表面のBH_4レベルが重要である可能性が考えられた。 3. BH_4産生阻害薬を投与したラット子宮内胎児発育遅延モデルを作成した。本モデルの羊水中にBH_4を注入したが、有意な改善傾向が認められなかった。上記2を考慮すると、本モデル下では胎児側のみならず絨毛表面にアクセス可能な母体血経由の投与も同時に必要なのではないかと考えられ、現在検討中である。
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