研究課題/領域番号 |
16790629
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
山田 瑞貴 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (10372492)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 悪性黒色腫 / 細胞接着分子 / L-selectin / ICAM-1 / 悪性黒色種 |
研究概要 |
L-selectinとICAM-1欠損マウス及び野生型マウスにおいてB16メラノーマ細胞を側腹に皮下注した皮下原発腫瘍と、尾静脈から静注した肺転移を調べた。皮下原発メラノーマは野生型マウスに比べ、L-selectinとICAM-1それぞれが欠損したマウスで14日後に3.9倍、2.6倍に増大し、また両方が欠損したマウスでは5.8倍となり、原発巣の増大は欠損で増強することがわかった。肺転移はL-selectin欠損マウスで増加し、Lselectinに加えてICAM-1が欠損するとL-selectin単独欠損よりも肺転移が増えることがわかった(2.4倍)。皮下でも肺でもL-selecinとICAM-1両方が欠損した場合に最も影響が大きかった。それぞれのマウスの尾静脈にB16メラノーマ細胞を注射し、28日間の生存曲線をみたところ、生存率はL-selectin欠損マウス、両方欠損のマウスで有意に低かった。結果としてL-selectin単独もしくはL-selectin、ICAM-1両方欠損では急速なメラノーマ転移が起きることがわかった。この腫瘍増大は、腫瘍周囲のNK cell、CD4およびCD8浸潤の減少と、IFNγとTNFαの放出減少と関連したが、IL6とは関連しなかった。メラノーマに対する細胞毒性はL-selとICAM-1それぞれおよび両方の欠損マウスの脾臓で増強しており、腫瘍近傍のリンパ節ではマウスによる有意差はなかった。接着分子の欠損によりエフェクター細胞の組織への遊走が減ることが細胞毒性反応の減弱よりも、より腫瘍の増大や転移に影響すると考えられた。L-selとICAM-1は協力的にリンパ球の腫瘍周囲への浸潤を調整することで抗腫瘍効果に貢献すると結論できた。
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