研究課題/領域番号 |
16790640
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松村 由美 京都大学, 医学研究科, 助手 (10362493)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 急性GVHD / 慢性GVHD / Th1 / Th2バランス / CCR5 / OX40 / 造血幹細胞移植 / GVHD / STAR cells / regimen-related toxicity / eosinophilic folliculitis |
研究概要 |
造血幹細胞移植後の皮膚GVHDはドナー由来のリンパ球がレシピエントの皮膚を「他人の皮膚」と認識して攻撃することによって生じる反応である。生じる時期や皮疹の種類によって急性GVHD、慢性GVHDに区別され、治療や経過が異なってくる。今回、急性および慢性GVHDの病態におけるTh1/Th2バランスの関わりについて解析を行った。 Th1/Th2バランスについては、尋常性乾癬、円形脱毛症においてはTh1優位、一方アトピー性皮膚炎においてはTh2優位と報告されている。GVHDにおけるTh1/Th2バランスを検討するために、今回はTh1型ケモカインレセプターであるCCR5の発現を急性GVHD,慢性GVHDの皮膚切片を用いて検討した。 38の皮膚GVHD切片を発症時期により急性、慢性の2群に分けた(23例が急性、15例が慢性)。急性GVHDにおいては13%にCCR5陽性細胞が発現しており、慢性GVHDにおいては46%に発現していた。また、うち4例の患者においては、急性および慢性GVHD両方の皮膚切片を得たのでCCR5発現の推移を検討したところ、3名の患者においてCCR5が発現しており、その陽性程度は移植後の日数が経過するにつれて強まることが判明した。 また、われわれは同一切片を用いて活性化T細胞に発現するOX40の発現を調べた。急性、慢性GVHDのいずれにおいてもそれぞれ82%、86%の陽性率を示し、両者の間で発現の差は生じなかった。 以上の結果よりCCR5が何らかの機序によりGVHDの遷延化、慢性化に関与しているのではないかと推測した。
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