研究概要 |
今年度当院にてLivedo血管炎と診断された新規患者がおらず,活動の血清および病理組織切片を得ることが出来なかった.この為慶應義塾大学医学部皮膚科学教室に保存されている臨床写真データよりlivedo血管炎と診断されている症例をピックアップし,その臨床写真を確認するとともにカルテが存在するものは臨床経過および血液検査データを確認し,livedo血管炎の診断を確認した.これらのうちで皮膚生検が行われており,病理組織標本およびブロックが保存されている検体のスクリーニングを行ったところ,臨床像,病理組織像ともにLivedo血管炎に合致する症例が15例あり,これらの病理組織切片を得ることが出来た. これらをPCR法の対象とした.まず本邦で報告の多い遺伝子の領域をプライマーのターゲットとした.すなわち,coml-遺伝子に対するプライマーを設計した.しかし,明らかな陽性所見は得られなかった.次は,バクテリアのリボソーマルRNA遺伝子の16S領域に対するユニバーサルプライマーを設計した.このPCR系では一部の検体で陽性のバンドを検出するも,一部の陰性コントロールでも陽性となった.さらに,塩基配列を決定すうことが出来なかろたため,プライマーの設計に問題があることが考えられた.現在プライマーの設計を再度行い,PCR法を繰り返す過程にある.さらに,その他の微生物が関与している可能性も考え,より網羅的に検索を行えるようDNAチソプなどの作成を計画している.
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