研究概要 |
近年わが国でも急速にアレルギー性疾患(喘息、花粉症、アトピー性皮膚炎など)の増加が認められる。肥満細胞が脱顆粒を起こすことが、これらの病態形成に中心的な役割をはたすことが知られている。代表研究者らはこれまで高親和性IgEレセプターであるFc・RIを中心に、肥満細胞の脱顆粒とアトピー疾患とのかかわりを明らかにしてきた。近年LATなどのIII型膜蛋白が、脱顆粒などのシグナル伝達の足場として重要であることが明らかとなっている。新規III型膜蛋白であるSIT (SHP2-interacting Transmembrane Adaptor Protein)と肥満細胞における機能の解明を試みた。 SITが各種肥満細胞(Human, Mouse, Rat cell line. Mouse primary cell, Mouse bone marrow derived cell)に発現していることを確認した。データーベース上になかったためrat homologをクローニングした。rSITはhuman SIT, mouse SITと90%以上のホモロジーがあった。機能解析のためRBL-2H3細胞に強制発現させたところ、Stable transfectantを樹立することが出来なかった。恒常的に機能している分子は強制発現細胞株を得ることが出来ないことが多い。 RBL-2H3細胞に一過性に発現させたがβ-hexosaminidase release assayによる脱顆粒に差はなかった。
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