研究課題/領域番号 |
16790683
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
森田 幸代 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (50335171)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 不安性障害 / 選択的セロトニン再取り込み阻害薬 / 臨床効果 / セロトニントランスポーター / 遺伝子型 / 5-HTTLPRの遺伝子型 / 個体差 |
研究概要 |
1970年代に発見された選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、抗うつ作用に加えて抗不安作用をもち、三環系抗うつ薬と比べて副作用出現率が低く、パニック障害に対する有効性が示されてきたことから、近年パニック障害をはじめとする不安障害の治療に用いられるようになってきている。新規抗うつ薬であるSSRIの治療反応性に個体差があることが臨床的には経験されているが、そのような治療反応性の投与前予測や日本人におけるその至適投与量などに関する、実際に臨床的な投与指針となるべき研究報告はいまだ認められない。ポストゲノム時代を迎えようとしている現在、「最大の臨床効果・最小の副作用」とするためには各個体のもつゲノム情報を含む変数を包括的に処理できる方法が必要である。そこで本研究では分子生物学的手法を用いて不安の病態生理への関連が想定されている神経伝達物質であるセロトニンのトランスポーター遺伝子における突然変異を検出することにより各個体の遺伝子型をPCR法で決定し、次いで、これらの遺伝子型とSSRIを投与された各個体における臨床効果や副作用出現・薬物血中濃度との関連を検討することにより、最終的には治療反応性や副作用出現の投与前予測をめざすことを目的とした。本年度は昨年度に引き続き、パニック障害患者14例を対象として、初期治療としてparoxetine 10mg/日の投与を行い、2週間後のparoxetine血中濃度と治療反応性の相関について検討した。パニック障害の初期治療においてparoxetine血中濃度が高すぎる場合、症状改善率が不良であるという結果を得た。 さらに、本年度は41名の摂食障害患者に対するparoxetine、fluvoxamineの有効性とセロトニントランスポーター遺伝子型との関係についても検討したところ、5-HTTLPRのL/L型のすべての患者は、SSRIが無効であったが、摂食障害の食行動や抑うつに対する効果と5HTTLPRとVNTRの遺伝子型の間には有意な影響は認められなかった。 また、SSRI内服による効果判定における客観的指標を確立することを目的に、予備的調査として健常被験者8検体において血清中サイトカイン測定を行い、検討した。 今後もサンプル数を増やし、さらに検討していく予定である。
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