研究課題/領域番号 |
16790697
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
畠山 佳久 札幌医科大学, 医学部, 助手 (50363693)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / 高齢者のうつ病 / 認知障害 / 視覚的記憶 / 遂行機能 / アルツハイマー型認知症 / ワーキングメモリー / 認知機能検査 / 老年期うつ病 / 近赤外線分光法 / NIRS / 視覚性記憶 / 前頭前野 |
研究概要 |
高齢者のうつ病はアルツハイマー病と臨床上極めて類似した特徴を持つことが「仮性痴呆」として古くから知られている。 そこで、アルツハイマー病患者群(以下AD群)と高齢者のうつ病群(以下D群)、ならびに高齢健常者群(以下HC群)の視覚性記憶を検討するため、新たにタッチパネル式モニタ(以下モニタ)を用いた視覚性記憶課題を開発した。AD群55例、D群14例、HC群18例それぞれに対し課題を施行した。課題は以下の様に設定した。 モニタの画面は水平に3個の区画に当分されている。この課題を3分割課題と呼ぶ。課題は記銘過程と再生過程に分かたれる。記銘過程では、例えば、(中央→右→左)といった具合に3個の区画に色刺激が提示される。被験者はこの提示順序を覚えるよう教示される。再生過程はビープ音の合図とともに開始され、被験者は覚えた提示順序をタッチパネル式モニタに手で触れる事により再生されるよう教示される。コンピュータでは、被験者の回答の正誤および触れた時刻が1msec単位で記録される。同様に(中央→左→右)(右→中央→左)(左→中央→右)の提示順序の課題も行い、以下同様に4分割課題、5分割課題を順次行った。全被験者にMini Mental State Examinationを施行した。また、D群に対してうつ病の評価尺度としてGeriatric Depression Scaleも施行した。 この結果、1)MMSE得点はAD群で優位に低得点となった 2)本課題の結果は、正答率でAD群が優意に低下していた。所要時間はHC群は他群に比べて有意に短い結果であった。3)正答率の感度、特異度を求めた結果、3分割課題の特異度は100%だった。4)MMSEの得点と本課題正答率の間に優意な相関が認められた。5)D群のGDS得点と本課題の相関に関して、正答率、正答するまでの所要時間ともに有意な相関を認めなかった。 以上より、本課題はMMSEと良く相関する課題であであり、本検査はうつ病の病相に依存しない情報処理過程の障害を観察している可能性が示唆された。
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