研究課題/領域番号 |
16790758
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
鳥井 孝宏 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (50364774)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | Tissue engineering / 再生医療 / 下大静脈 / 血管再生 / 生体吸収性ポリマー / 生体肝移植 / 人工血管 / 静脈パッチ / 人工静脈 |
研究概要 |
血管新生、発生機序に関しては分子生物学的に解明されてきているが、実際の大静脈の血管再生に関しては全く不明である。我々は、過去において、下大静脈に生体吸収性ポリマーのパッチを移植すると、その部分にnativeと同様の血管が再生してくることを示した.(J Gastrointest Surg 2005;9:789)。今回は、この移植モデルを用い、実際の下大静脈の再生過程を検討した。(方法)雑種ブタの肝下部下大静脈を3X2cm大に切除し、その部分に同じ大きさの生体吸収性ポリマーで作製したパッチを移植した。細胞は播種しなかった。パッチ移植後2週、3,6ヶ月、1年でパッチ部の組織を採取し、組織学的に再生過程を検討した。(結果と考察)ポリマーは移植後2週では移植部に存在していたが、移植後3ヶ月以降では組織学的に検出されなかった。パッチ移植部の血管内皮細胞は、移植後2週でほぼnativeと同様となり、factor 8陽性に染色された。内皮下の中膜部分の平滑筋は、移植6ヶ月でほぼnativeと同様になったが、移植6ヶ月では、外膜の縦走平滑筋はほとんど形成されていなかった。移植1年のパッチには、縦走平滑筋の形成は認められたが、nativeと比較しわずかであった。肉眼的には、移植3ヶ月で移植部はnativeと同様となった。全ての移植したブタにおいて、犠牲死時、移植部に血栓形成、瘤の形成は認められなかった。このモデルにおける下大静脈の血管内皮再生は、下大静脈損傷の非常に早期に起こり、その後、中膜が形成され、その後外膜が形成されてくることが示された。また、完全な下大静脈の再生には、1年以上の期間が必要と考えられた。しかし、移植後1年においても、瘤の形成がなくこのようなパッチを腹部静脈再建に利用可能と考えられた。(まとめ)このような生体吸収性ポリマーパッチを下大静脈の再建に利用可能であることが示唆された。
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