体重約4kgの雄性家兎(NZW種)5羽を使用し、X線透視下にて左頚動脈より経カテーテル的にステントを左右総腸骨動脈にそれぞれ1個留置した。ステント植え込み7日後に重粒子線照射を施行した。重粒子線照射は照射線量は20Gyで、左下腹部から同側鼠径部にかけての縦5mm、横15mm、奥行き5〜25mmの範囲に対し行った。 ステント植え込み30日後、及び60日後に両下肢に対し下腿血圧、ドップラー血流計による下肢血流、マイクロスフェアーを用いた下肢血流、および経皮酸素分圧を測定し、左右を比較することによりステント留置後の再狭窄の程度を検討している。 ステント植え込み60日後に家兎を屠殺し、両側腸骨動脈およびその周辺組織を摘出しホルマリン固定を行い、ステントを含んだ組織切片を作成し、組織学的に狭窄の程度及び周囲健常組織への重粒子線の影響を評価している。また屠殺時に骨髄、肝臓、腎臓、精巣を採取し重粒子線の影響を検討している。 重粒子線が目標部位に照射されたことを確認した。血流計測、組織解析は現在進行中である。
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