研究課題/領域番号 |
16790781
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
石黒 秀行 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助手 (10363920)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 食道癌 / 18qLOH / マイクロサテライトマーカー |
研究概要 |
対象となる18q領域の中でPCRをかけるマイクロサテライトマーカーを約50等分(約1cMごと)する領域をカバーするように配置決定した。食道癌臨床検体48症例(内訳:stage1 10例 stage2 15例 stage3 15例 stage4 8例)の癌部あるいは非癌部のゲノムDNAを抽出した。マイクロサテライトマーカーのForword primerには、蛍光標識(6FAM, VIC, NED)をつけ、Reverse Primerにはtailingをつけることによって、安定した結果および、同サイズのマーカーでも10種類同時に泳動できるようになった(コントロールスタンダードは、LIZを用いた)。マイクロサテライトを8グループに分け、ABI PRISM310(Applied Biosystems社)にて症例ごとに一度に泳動し、解析ソフトGene MapperにてGeneMapperを用いて癌部および非癌部の波形を比較しLOH解析を行った。LOHは48症例中28症例にみられ、マーカー毎のLOHは18.42〜38.46%と高頻度であり、LOHが18q全体に及ぶと思われる症例が48例中8例(16.7%)にみられた. 臨床病理学的因子および予後と関連する18qLOH領域を同定し、食道癌に関連した癌抑制遺伝子を同定することを目的として本研究を開始したが、結果は予想以上に高頻度に広範囲にLOHが存在し、18qのなかで狭い領域を同定することは困難と考えた。そのため、LOHが18q全体に存在する8例に加え、18qのテロメア側3分の2が欠失する症例が6例存在するため、これら14例においては18qのテロメア側3分の2欠失がみられる。この18qの欠失と臨床病因学的因子との関連を調べると、18qの欠失例においてリンパ節転移、脈管侵襲が有意に多く見られた。予後を含めてその他の因子との関連はみられなかった。 18qのテロメア側3分の2の領域には、リンパ節転移や脈管侵襲と関連した遺伝子が存在する可能性が示唆されたが、LOHは広範囲にみられており、その候補遺伝子を特定することはできなかった。 現在、論文投稿中である。
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