研究課題/領域番号 |
16790846
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
樅木 勝巳 愛媛大学, 総合科学研究支援センター, 講師 (70304615)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 二分脊椎症 / ニワトリ / 疾患モデル / 歩行障害 / 神経障害 / 神経発生 / 脊髄 / 免疫染色 / 後肢運動障害 |
研究概要 |
椎弓の欠損を主徴とする非致死性脊髄奇形である二分脊椎症は、主に椎弓欠損のみの潜在性型と椎弓欠損に髄膜あるいは脊髄と髄膜の両方が巻き込まれる嚢胞性型とに大別される。一般に潜在性型は無症状であるが、嚢抱性型は種々の程度の神経障害を示す。これまでの二分脊椎症に関連する研究では、この神経障害の病態は臨床知見に基づいたものがほとんどであり、実験に基づく知見は臨床知見に比べて少ない。したがって、その詳細な病態については不明な点が未だ多く残されている。 我々はこれまでに二分脊椎症で見られる神経障害の病態を詳細に解析することを目的として、ヒト二分脊椎症患者に似た後肢運動障害を示す二分脊椎モデル動物を開発した。平成17年度では、平成16年度の研究において見いだされた神経細胞の発生障害についてより詳細な知見を得るための実験を行った。すなわち、運動神経細胞のサブクラスマーカーとして知られている数種類の転写調節因子に対するモノクローナル抗体を用いて、本モデルの脊髄奇形領域における運動神経細胞サブクラスを染め分け、これらの数の変化及び脊髄内での神経細胞の分布変化を追跡した。 本年度に得た結果では、本モデルにおいて、奇形例の運動神経細胞の発生は約1〜2日程度の遅延がみられるが、最終的には正常発生例とほぼ同数の運動神経細胞が発生することが明らかとなった。しかし、神経細胞の脊髄内の空間分布には奇形例と二分脊椎例で違いが見られた。さらに、内転筋にWGA-HRPを注入し、脊髄内のHRP陽性細胞数をカウントしたところ、この陽性細胞の随節毎の分布にも奇形例と二分脊椎例で違いが見られた。これらの結果から発生途上の神経管が羊水環境に暴露されることによって、脊髄神経細胞の空間的な分布に異常をし、その結果として本モデルにおいて歩行障害を引き起こしていることが予測される。
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