研究課題/領域番号 |
16790871
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
江口 広毅 福井大, 医学部附属病院, 助手 (90324144)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | オレキシン / 吸入麻酔薬 / Tail clump test |
研究概要 |
平成16年度は脳内オレキシン細胞の特異的破壊が麻酔深度に与える影響を検討した。 研究目的 オレキシンは近年発見された神経ペプチドで人間の摂食行動を制御するだけでなく、脳内覚醒伝達物質として注目を集めている。このオレキシン細胞が減少する病態はナルコレプシーとして知られ、覚醒維持が困難となり睡眠に移行しやすくなる。このことから、オレキシン細胞は覚醒維持に重要な役割を果たしていると考えられる。 視床下部外側はオレキシンを放出するオレキシン細胞が局在している場所である。しかし、視床下部外側には他の神経細胞も存在するため、従来用いられてきた電気的焼灼や薬物注入によるオレキシン細胞の破壊では特異性に欠ける。オレキシンとサポリンを結合させた物質、オレキシン-サポリン複合体は、オレキシン細胞表面に存在するオレキシン受容体と特異的に結合してオレキシン細胞内へ侵入し、細胞内リボゾームを破壊する。この複合体を視床下部外側にmicroinjectionした。 オレキシン細胞を特異的破壊し、オレキシンの作用が不活化されたラットの麻酔深度の変化をTail clump testで測定することで吸入麻酔薬との関連性を評価した。 結果 脳内覚醒伝達物質であるオレキシンの作用が不活化されたラット群はコントロール群と比較して、吸入麻酔薬の必要量が有意に低下した。このことから、オレキシンは吸入麻酔薬の作用機序に関係がある可能性が高くなった。
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