研究課題/領域番号 |
16790877
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
松井 智浩 山口大学, 医学部, 助手 (50314828)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 脳低温療法 / マイクログリア / アデノシン三リン酸(ATP) / 一酸化窒素(NO) / IL-10 / 低温培養 / 高温培養 / 炎症性サイトカイン / 抗炎症性サイトカイン / 軽度低温培養 |
研究概要 |
マイクログリアは一酸化窒素(NO)やサイトカイン等の産生を介し、細胞傷害と密接に関与する。脳保護作用を目的とした脳低温療法はこれらの増加を軽減させる可能性があるが、その機序には不明な点が多い。報告者は、今までにリポポリサッカライド(LPS)活性化マイクログリアからのNOやサイトカイン産生が低温や高温下で受ける影響について明らかにしてきたが、本物質は非生理的であり議論が多かった。そこで本年度の研究では、脳損傷時のニューロンやグリア細胞から遊離あるいは放出される内因性マイクログリア活性化物質、アデノシン三リン酸(ATP)を用い、マイクログリアの産生するNOやサイトカインが低温および高温培養下でどのような影響を受けるのか調べた。新生仔ラット(Wistar:1-3日齢)の大脳よりマイクログリアを単離し、ATP添加の下、33℃、37℃、39℃下で各々48時間まで培養した。培養上清中の炎症性因子(NO_2^-:NOの代謝産物)および抗炎症性因子(IL-10)産生量をそれぞれGriess法およびELISAで測定した。その結果、マイクログリアのATP(1mM)刺激によるNO_2^-産生は、48時間の培養で33℃では37℃に比べ高値を示し、39℃では低値を示した。IL-10産生は、48時間の培養で33℃では37℃に比べ低値を示し、39℃では高値を示した。以上より、1)低温(33℃)下ではATP活性化マイクログリアからのNO産生は促進され、IL-10産生は抑制されること、2)高温(39℃)下ではNO産生は抑制され、IL-10産生は増加すること、が判明した。これらの結果は脳低温療法による脳保護作用の一機序に、ATP活性化マイクログリアからのNO増加とIL-10抑制が関与することを示唆する。しかしながら、報告者は今までに低温下ではLPS活性化マイクログリアからのNO産生は抑制されることを見出しており、今後、刺激の違いにより何故NO産生に及ぼす低温の影響が異なるのか、そのメカニズム並びに意義を低温下でIL-10低下(抗炎症性反応低下)を伴う機構の解析を含め、ニューロン-マイクログリア共培養系で明らかにしていく。現在、低温下でのNO増加はニューロン賦活あるいはニューロン死誘導作用を介し、脳保護に働くのではないかと考えている。
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