研究課題/領域番号 |
16790889
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
影山 京子 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (80347468)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | PDE III阻害薬 / 抗血小板薬 / トボリノン / cyclic AMP / plasma membrane Ca ATPase(PMCA) / caイオン |
研究概要 |
ホスホジエステラーゼ(PDE III)阻害薬であるトボリノンの血小板にたいする影響を検討した。健康成人ボランティア男性より血液を採取、濃厚血小板を分離した。凝集惹起物質であるトロンビンを添加し、50%の血小板凝集抑制が起きるトボリノン濃度:IC50)を算出した。その濃度は9.7±0.9μMであった。次に血小板にトボリノン(IC50)を添加して凝集抑制がおきた場合について、Ca貯蔵部位であるDTS(dense tubulara system)からのCaイオン放出と血小板細胞外からのCaイオン流入と2つの側面から細胞内Caイオン濃度の測定を行った。トボリノンを投与した場合、有意にCaイオン放出、流入ともに抑制が認められた。さらにトボリノン投与時、血小板内cyclicAMP濃度は有意に上昇した。以上の結果からトボリノンには血小板凝集抑制作用があり、cyclicAMPを介した細胞内Caイオン濃度の上昇の抑制が示唆された。Caイオンの上昇には種々のメデイエーターが作動しており、チロシンリン酸化反応が主役となっている。そのチロシンリン酸化反応を制御しているものに血小板内に存在するplasma melnbrane Ca ATPase(PMCA)があり,ウエスタンブロッテイング法を用いてPMCAの活性化を調べた。その結果、PMCAが活性化されており、PDE III阻害剤の血小板凝集抑制作用にはPMCAの活性化が関与している事を解明した。さらにPMCAの活性化に関与しているチロシンホスファターゼのCaイオンの上昇にあたえる影響を調べた。In vitro下チロシンホスファターゼインヒビター投与下において血小板内Caイオン濃度を調べたところ、抑制は認められなかった。オルプリノンの血小板凝集抑制にはSMCEの活性化によるCaイオン流入の抑制が本体であり、それにはチロシンホスファターゼの活性化が関与しているとわれわれは考えた。今後、さらなる業種抑制の機序を解明し、抗血小板作用をあわせもつ強心薬開発の一助としたい。
|