研究課題/領域番号 |
16790944
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
田嶋 公久 福井大学, 医学部, 助手 (60303377)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 莢膜細胞 / アンドロゲン / ステロイド産生 / ERK / 卵巣 / プロゲステロン / P450c17 / StAR |
研究概要 |
卵巣莢膜細胞からのアンドロゲン産生過剰は、多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome ; PCOS)などの卵巣機能異常をもたらす。ところが、莢膜細胞におけるアンドロゲン産生メカニズムはいまだ十分に解明されていない。 当該研究者は、細胞内シグナル伝達分子Extracellular-signal regulated kinase(ERK)に着目し、ERK活性が莢膜細胞のアンドロゲン産生調節に関与するとの仮説を立てた。これを検証するために、ヒト莢膜細胞の不死化株の作成して研究を行なう予定であったが、不死化は困難であった。そこで、ヒトと同じ単一排卵動物であるウシの細胞を用いて以下の実験を行なった。 (1)ERK活性が莢膜細胞のアンドロゲン産生に果たす役割 黄体化ホルモン(LH)あるはインスリンをウシ莢膜細胞に投与すると、アンドロゲン(アンドロステンジオン)産生を促進した。このとき、LH・インスリンは莢膜細胞中のERK活性を上昇させた。さらに、莢膜細胞にLHあるいはインスリンを添加した後、ERKの阻害剤を投与すると、アンドロゲン産生は減少した。この結果、ERK活性は莢膜細胞のアンドロゲン産生に促進的に働くことが明らかになった。 (2)ERKによるアンドロゲン産生調節の分子メカニズム (1)の実験において、ERKがアンドロゲン産生を変化させる分子メカニズムを解明するために、莢膜細胞中のステロイド合成酵素の発現を調べた。その結果、ERKの阻害はアンドロゲン産生合成酵素P450c17の発現を転写レベルで減少させることが明らかとなった。すなわち、ERKはP450c17の発現を変化させることで、莢膜細胞のアンドロゲン産生調節を行なうと考えられた。
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