研究課題/領域番号 |
16790994
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
成田 憲彦 福井大学, 医学部, 助手 (80345678)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 頭頸部癌 / HDAC3 / 分子標的治療 |
研究概要 |
1.ヒト上顎癌細胞株IMC3に正常pH(pH7.4)と低pH(pH6.8)条件下で、それぞれ温熱刺激(44℃30分)を加え、6時間後の遺伝子発現をDNAアレイにて解析した。その結果、低pH条件での温熱刺激でのみ発現する遺伝子群があることが解った。我々はこの中でも、histone deacetylase 3(HDAC3)に着目した。 2.IMC3に正常pHと低pH条件下で、それぞれ温熱刺激(44℃30分)を加え、12時間後のHDAC3蛋白発現をウェスタンブロット法により解析した。その結果、低pH条件での温熱刺激でのみ、HDAC3蛋白が強発現する事が解った。さらにHDAC3のアンチセンスオリゴヌクレオチドを作製し、実際にHDAC3蛋白発現を抑制できることを確認した。 3.フローサイトメトリーを用いた実験で、アンチセンスオリゴによりHDAC3を抑制した状態では、低pH条件での温熱刺激によるG2/M期停止が解除され、アポトーシスが増強する事が解った。 4.Clonogenic cell survival assayにより、低pH条件での温熱刺激は、正常pH条件での温熱刺激よりも殺細胞効果が高いことが解ったが、HDAC3抑制下での低pH条件温熱刺激はさらに約10倍殺細胞効果が高いことが証明された。 5.ヌードマウスを用いた実験により、生体内においても、HDAC3抑制は温熱刺激のアポトーシス誘導効果を増感することが解った。 6.ELISA法を用いた実験から、このHDAC3抑制による低pH条件での温熱の増感効果にはNF-kBのサブユニットであるp65が関連する可能性が示された。
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