研究課題/領域番号 |
16791007
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
澤田 正一 高知大, 医学部, 助手 (90363275)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 単純ヘルペスウィルス / 水痘・帯状疱疹ウィルス / 内耳炎 |
研究概要 |
水痘・帯状疱疹ウィルス(VZV)は難聴や顔面神経麻痺などを引き起こすことは、臨床的に明らかであるが、動物実験モデルはいまだ確立していない。動物モデル確立のため、ウィルスの培養、接種を行い、ウィルスの動態や、聴覚検査、組織学的な検討を行った。帯状疱疹患者より採取した水疱液をヒト繊維芽細胞で5世代培養した。培養したVZVを、PSGCにて抽出し-80度でストックした。抽出したVZV溶液を、ガラスキャピラリーにて、4匹のモルモットの鼓室階に注入した。また2匹のコントロール動物には、抽出液のみを注入した。聴覚検査として、注入1週間、2週間、4週間後に、聴性脳幹反応にて聴力を測定した。4週後に組織を採取し定量PCR、免疫染色、HE染色でウィルスの動態と形態学的な検討を行った。結果として、聴力は1週目に30-54dBの低下を認め、4週でも変化無く、聴力低下は非可逆的であった。ウィルスは血管条とコルチ器に認められ、責任部位はその両者であることが推定できた。しかしながら、HE染色では形態に有毛細胞の変性脱落は有意ではなく、蝸牛神経節細胞の若干の減少はあるものの、血管条障害によるEPの低下の関与も考えられた。いずれにせよ、VZVによる内耳への感染が認められ、ウィルス性内耳炎のモデル動物として妥当なものと思われた。今後、VZVによるHunt症候群や、まだ明らかになっていない前庭神経炎、突発性難聴などの病態解明に役立つものと思われる。
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