研究概要 |
(1)感染性副鼻腔炎に伴う鼻茸、(2)喘息合併症例由来の鼻茸、(3)アスピリン喘息合併症例由来の鼻茸を十分な説明の元に患者本人が承諾の上、鼻茸の採取を実施した(東京慈恵会医科大学の倫理委員会の承認済み)。鼻茸採取時は、ステロイドが投与されていないことを十分に確認した。採取された鼻茸は、速やかに破砕し、タンパク質を抽出し2次元電気泳動を行った。泳動したゲルは銀染色、蛍光染色を行いタンパク質スポットの可視化を行った。(1)、(2)、(3)の各々3症例を比較検討し、難治化因子となりそうな差のあるスポットを選択枝、質量分析計にかけて検討を行った。 今年度に検討したスポットは9スポットであった。Serum albumin 5 spot、no detect 1 spot, immunoglobulin alpha-1 heavy chain constant region 1spot, T-plasmin polypeptide 1spot, fibrinogen gamma 1spot, gelsolin isoform a 1spot, immunoglobulin lambda chain variable region 1spotで、アルブミン系のタンパク質が多く更なる検討を要するスポットは見つからなかった。今後はアルブミンに対する抗体を用いてアルブミンを除去し検討を加えたいと考えている。また、同時に他のスポットに対してもタンパク質分析を行う予定である。 今後も検討を加え、副鼻腔炎難事化因子の解明、ひいては喘息、アスピリン喘息の病態解明を進めたいと考えている。
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