研究課題/領域番号 |
16791024
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
小宅 大輔 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (00367343)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 単一ユニット / 蝸牛神経 / 聴皮質 / 耳鳴 / 強大音 / モルモット / シングルユニット / 音響外傷 / 難聴 |
研究概要 |
本研究の目的は、耳鳴のモデルとして、動物に強大音を負荷し、その後の聴皮質および蝸牛神経における神経活動の変化を急性期と慢性期について検討することである。サリチル酸およびキニンはそれぞれ人間・あるいはラットに投与すると耳鳴を誘発することが確認されている。以前ネコにサリチル酸およびキニンを投与したところ第1次聴皮質の自発放電活動の同期性が充進し、そのことが耳鳴が起こっていることと関係していることを示唆した。以上報告されたような神経活動の変化が蝸牛神経から由来しているか、あるいは第1次聴覚野に起こっているのか明らかにすることが本研究の目的である。以前の報告では皮質からの記録はネコで行ったが、末梢の検討はほとんどモルモットで行っており、比較するためモルモットを用いた。 体重300〜400gramのモルモットを使用し、麻酔の導入にはペントバルビタールを用いた。聴皮質からの記録は、骨を除去後、聴皮質直上の硬膜を切開し、マイクロマニピュレータを用い、電極を脳表からおよそ第1次聴皮質に04〜2.0mm刺入し、記録を行った。記録中、脳はlight mineral oilで覆うようにした。それぞれ導出した電位はMedusa 16 channelデジタルバイオアンプで増幅し、Brain Wareを用い1つの電極から最大8つの単一ユニットに分離し、自発放電数、発火パターンについて解析した。実験の最後には大量のペントバルビタールを腹腔内投与した。 昨年度は正常(未処置)のモルモットからの聴皮質からの記録に際し、種々の抵抗の違う電極、配列の違う電極などを用い記録の安定化に努めていたが、NeuroNexus Technology社製の電極(a4×4-4mm200-1250)を用いることで安定した記録が可能となり、平成18年日本耳鼻咽喉科学会で報告した。 強大音負荷による聴覚機能の変化は高音域を中心に起こることが確認されているため、今年度は昨年確認したモルモットの脳における周波数分布に基づき特に特徴周波数が8kH以上と考えられる領域を中心に電極を挿入し、記録を行った。強大音負荷により聴覚閾値の上昇を認めたが、自発放電数の変化は認めず、しかし一部の動物において同期性の元進を認めた。この変化は特徴周波数が低い周波数のユニットでは明らかではなかった。このことからこれらの変化が耳鳴の発現と関係していることが推測された。
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