研究課題/領域番号 |
16791027
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
谷川 徹 愛知医科大学, 医学部, 助手 (10367758)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 前庭有毛細胞 / 酸化ストレス / 細胞傷害 / LIVE / DEAD system / ATP / 再生医療 / 単離細胞 / Phalloidin / 蝸牛単離有毛細胞 / 前庭単離有毛細胞 / マーカー / フリーラジカル / 形態変化(細胞障害) / 長期生存 |
研究概要 |
1)昨年度に続き、酸化ストレスに対する内耳障害を細胞および器官レベルで検討した。 (1)前庭単離有毛細胞に対する過酸化水素の影響 20mM過酸化水素負荷により単離した34細胞中29細胞で、30分以内に細胞突起形成や細胞体の膨隆といった細胞膜の障害が原因と考えられる変化を認めた。2mM過酸化水素負荷ではこれらの変化に加えて細胞体の頸部が短縮するものも見られた。人工外リンパ液を負荷したものでは1時間を経過しても変化はなかった。 (2)細胞障害に対するATPの保護効果に関する検討 めまい治療薬として臨床的に使用されているATP(3mM)が上記の形態変化を抑制するか検討したが、明らかな効果は確認できなかった。 (3)半規管膨大部の器官培養における酸化ストレスの影響 LIVE/DEAD systemを用い、2mM過酸化水素により障害された半規管膨大部が生存できる時間について検討した。その結果、3時間を過ぎるとコントロールに比べて、有意に死滅細胞が増加することがわかった。この結果は少なくとも3時間以内に治療を始めれば活性酸素による内耳の細胞死を抑制できる可能性を示唆している。 2)前庭単離有毛細胞の効率的回収の試み 前庭有毛細胞移植のためピペッティングによる機械的単離に加え、酵素添加により単離細胞の回収率の増加を目指したが、1膨大部あたり100個の単離細胞を得るのが限界であった。現在、明視下に小組織塊を採取後、フィルター使用などの工夫を加え、最終的に10^3個以上の単離細胞を得ることを目標にしている。より多数の前庭有毛細胞を障害した蝸牛に注入することにより、内耳の再生が現実的になると考えられるからである。
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