研究課題/領域番号 |
16791037
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
長岡 泰司 旭川医大, 医学部, 助手 (00333691)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 微小循環 / 糖尿病網膜症 / 網膜血管内皮機能 / レーザードップラー法 / 一酸化窒素 / 動脈硬化 / 高血圧 / 虚血再灌流 |
研究概要 |
平成16年度に以下の研究を行い、その成果を発表することができた。 1.ネコ眼を用いた実験 全身麻酔下でネコの前房に針を刺入・留置し、眼灌流液のボトルを上下させることで眼圧を変動させた際の網膜循環動態について検討した。眼圧を40-70mmHgまで10mmHgに段階的に増加させ、眼球加圧負荷とした。負荷はそれぞれ5分間行った。すると、眼圧依存性に負荷終了後に一過性に網膜血流が増加した。また、眼圧60,70mmHgでは負荷終了後の網膜血流増加の際に網膜血管が拡張することも確認した。これは平成17年5月の国際学会で発表予定である。今後は、一酸化窒素、アデノシン、カリウムチャネルなどの阻害剤を用いてこれらの物質の関与を検討したい。 2.正常人を対象とした実験 血管内皮機能を評価することは非常に重要であるが、網膜のような細動脈レベルでの評価法は確立されていない。眼球を軽度加圧して眼圧を上昇させたあと眼血流が増加することが知られており、これを利用して新しい網膜血管内皮機能評価を試みた。この研究では、網膜血流の増加を感知して網膜細動脈が拡張することが確認され、網膜血管内皮機能評価が可能であると考えられた。さらに、新たな血管評価法として眼球加熱による眼循環反応の評価法も確立した(論文3)。 3.患者を対象とした網膜循環動態の研究 レーザードップラー法を用いて糖尿病患者の眼循環動態を評価すると、網膜症発症前あるいは発症早期から中心窩網膜血流と網膜血流が低下していることを報告した(論文1)。さらに、透析患者では全身循環の変動に網膜循環が大きく影響を受けること(論文2)、さらに虚血性心疾患患者では全身の動脈硬化の指標であるIntima-Media Thickness(IMT)と網膜循環パラメータが相関し、網膜細動脈レベルでの動脈硬化の評価が可能であることも明らかにした(論文4)。 今後も研究を継続し、糖尿病患者における眼循環動態および網膜血管内皮機能異常の病態把握と解明を行う予定である。
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