研究課題/領域番号 |
16791107
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
樋山 伸二 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (60314754)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 骨代謝 / エストロゲン / 骨髄骨 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 骨リモデリング |
研究概要 |
本年度は昨年度に引き続き、骨代謝におけるエストロゲンの役割を明らかにするために、鳥類の骨髄骨を用いて、次の実験を行った。 1.成熟雄ウズラへのエストロゲン投与による骨髄骨形成期の骨髄の形態的変化について検討した。その結果、骨髄内の脂肪細胞の減少が認められた。さらに、投与後2日において、増殖・分化している骨内膜細胞とは異なる細胞集団が出現した。以上の結果から、脂肪細胞はエストロゲンにより減少し、さらに骨髄細胞に存在する幹細胞は骨芽細胞に分化が誘導されていることが示唆された。 2.成熟雄ウズラへのエストロゲン無投与および投与後2日の骨髄細胞を抽出し、これらの細胞における骨芽細胞および脂肪細胞の分化マーカーの発現について検討した。その結果、骨芽細胞の初期分化マーカーの遺伝子発現はわずかに投与後減少を示した。また脂肪細胞の初期および後期分化マーカーは顕著に減少した。以上の結果から、エストロゲン投与により脂肪細胞はその分化が抑制されることが推察された。また、骨芽細胞の分化に関しては、さらに検討が必要である。 3.成熟雄ウズラへのエストロゲン無投与および投与後2日の骨髄細胞を分離・培養した。その結果、無投与群では、多核の破骨細胞様細胞の形成が顕著に認められたが、骨芽細胞様細胞の存在は極わずかにすぎなかった。一方、投与群では骨芽細胞様細胞がコロニーを形成し、その周囲に単核あるいは多核の破骨細胞様細胞がわずかに存在した。以上の結果から、エストロゲン投与により、骨髄における細胞集団に変化が起こることが示唆された。 以上の結果から、骨髄骨形成において、エストロゲンと骨髄細胞が大きく関与していることが推察された。今後、このモデルを用い、エストロゲンと骨代謝との関係を解明することで、哺乳動物における骨代謝に大きく貢献できることが考えられた。
|