研究課題/領域番号 |
16791165
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
島津 徳人 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (10297947)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ラット / 抜歯窩 / 破歯細胞 / 破骨細胞 / 浸透圧ポンプ / ビスフォスフォネート / μCT / 3次元組織構築 / 臼歯再植 |
研究概要 |
本年度では、5週齢の雄性SD系ラットに体内埋入型浸透圧ポンプ(Alzet)により持続的にビスフォスフォネート(HEBP1.0mgP/day/kg体重)を投与し、ラット上顎第一臼歯を抜歯し、抜歯窩と後方臼歯列での歯槽骨改造とTRAP陽性の破骨細胞・破歯細胞の分化・活性化への影響を明らかにした。歯質吸収および周囲の歯槽骨改造については、HEBP投与下での石灰化抑制効果を評価するため、X線μCT画像の濃淡レベルに基づき石灰化度の異なる硬組織を分画して立体構築する方法を開発した。この立体画像から歯根吸収量、歯根膜空隙(骨性癒着の有無)、歯槽骨質に占める低石灰化成分について形態計測した。μCT解析に続いて、同一臼歯試料の脱灰・連続切片を作成し、TRAP酵素組織化学とアザン染色の二重染色による組織立体構築に基づき、歯根・歯槽骨表面での破歯細胞および破骨細胞の集積について定量解析した。これらの3次元形態計測から、HEBP持続投与下では、抜歯窩の治癒機転や循環系から局所へのマクロファージ系譜の細胞集積には影響を及ぼさないが、新生骨質の石灰化を抑制し、破骨細胞・破歯細胞系譜に対しては多核化の遅延、波状縁の発達阻害、歯質・骨質への接着能の減弱化をもたらすことが確かめられた。HEBPによるアポトーシス誘導に関しては、硬組織表面に付着しているTRAP陽性の多核細胞では細胞核の分断化やアポトーシス小体は認められなかったが、骨質表面から遊離したTRAP陽性単核細胞では多数のアポトーシス小体が確認できた。以上のHEBPの作用効果は抜歯窩内で顕著であり、歯根周囲の歯根膜空間では軽微であった。近隣する組織領域でのHEBP作用効果が異なる理由として、持続投与期間に新生骨質(類骨)に蓄積されたHEBPが骨吸収にともない二次的に放出されて細胞機能に影響を与えたと考えられる。
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