研究概要 |
鶴見大学歯学部臨床予備実習時に,接着性レジンの学生相互実習で行われた修復の術直後および1年後に得られた臨床成績調査票,口腔内写真およびレプリカ模型から,以下の項目について調査,観察および測定を行った. 1.臨床成績調査票のまとめ 近年開発され臨床で使用され始めているワンステップセルフエッチングシステムを使用して修復したレジン修復物の辺縁部着色,辺縁適合性,二次齲蝕,歯髄反応などのエナメル質窩縁部における評価項目について,臨床成績調査票から集計し,口腔内写真の評価も加えて各修復物の臨床経過をまとめた.また,ワンステップセルフエッチングシステムを使用して修復したレジン修復物の臨床経過と比較するため,ツーステップセルフエッチングシステムを使用して修復したレジン修復物の臨床経過についてもまとめた. 2.エナメル質マージン部の形態学的変化の観察 採得したレプリカ模型をSEM観察し,修復物周囲のエナメル質マージン部の形態学的変化の観察を詳細に行った 3.エナメル質マージン部の形態学的変化の測定 ワンステップセルフエッチングシステムやツーステップセルフエッチングシステムを使用した接着性レジン修復物のエナメル質マージン部の形態学的変化を,高精度形状測定変位計LE(キーエンス)を使用して計測を試みた.修復直後と1年後のレプリカ模型を比較し,エナメル質マージン部の経時的摩耗量について定量的測定を行ったが,修復直後と1年後のレプリカ模型の完全に同一部位の測定が,レプリカの測定台設置時のズレ,測定方向,角度またはレプリカの精度などから困難であり,今後のさらなる検討が必要と考えられた. 以上の研究結果から, ワンステップセルフエッチングシステムとツーステップセルフエッチングシステムのエナメル質に対する接着について研究を行い,セルフエッチングシステムのエナメル質に対する臨床的接着性について検討し,発表を行った.
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