研究概要 |
1)実験動物(ビーグル犬) 実験には生後約2年のビーグル成犬(体重10〜12kg)を使用.本学動物実験センターにて1週間通常飼育し,異常を認めなかったものを本学動物実験センターの指針に従い実験に使用した. 2)実験材料(rhbFGF/TCP複合体) recombinant human basic fibroblast growth factorであるrhbFGFを使用.rhbFGFの担体として,平均粒径300μmのαおよびβ-tricalcium phosphateを使用.rhbFGF/TCP複合体は1gのTCPに対して500μgのrhbFGFを吸着させて作製. 3)rhbFGF/TCP複合体のビーグル犬前頭洞への移植 実験部位は左右の前頭洞とした.前頭洞への移植手術は,前投薬にジアゼパム2mg/kgの筋注と硫酸アトロピン0.1mg/kgの皮下注,麻酔導入薬として塩酸ケタミン製剤10mg/kgの筋注を行い,チオペンタールナトリウム20mg/kgの経時的静脈投与による全身麻酔下で行った.前頭部の開窓方法は,術野の剃毛,イソジン液【○!R】の消毒後塩酸リドカインの浸潤麻酔を行い,皮膚,骨膜を順次切開剥離して頭部の前頭洞前壁の骨面を露出させ,インプランターII【○!R】を使用して,注水下,800rpmの低速回転でサージカルラウンドバーにて縦15mm,横10mmの大きさに開窓部を形成した.洞粘膜挙上部の作成は,従来のサイナスリフトの術式に準じて,洞粘膜に穴を開けないように行った.洞粘膜挙上部に対し,2gのrhbFGF/TCP複合体(rhbFGFを合計1000μg含む)を滅菌生理食塩水に浸し,Bonetite注入器を使用して,洞粘膜挙上部に移植.対照側はTCPのみを滅菌生理食塩水に浸して移植した.
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