研究課題/領域番号 |
16791201
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 奥羽大学 |
研究代表者 |
岡田 英俊 奥羽大学, 歯学部, 講師 (40275623)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 仮着材 / PEMA / ユージノール / 合着材 / 接着強さ / 接着試験 / 細胞毒性試験 / 歯科理工学的性質 / 接着耐久性試験 / 界面破壊 |
研究概要 |
これまでの研究から、PEMAとユージノールを基材とした試作仮着材は、仮着材として満足できる特性、物理的性質および接着強さを有していることが明らかとなった。また、ヒト線維芽細胞由来の3次元モデルを用いた細胞毒性試験においても、市販仮着材と比較して細胞生存率の高いことが明らかとなった。 そこで、今年度は試作仮着材が除去後の被着体と合着材の接着強さに及ぼす影響について検討を行なった。また、口腔内細菌に対する試作仮着材の殺菌効果についても市販仮着材と比較検討を行なった。 接着試験に用いた被着体はコア材料も考慮し、12%金銀パラジウム合金。デュアルキュア型コア用レジンおよび牛歯象牙質を用いた。合着材はレジン添加型グラスアイオノマーセメントとレジンセメントを用いた。 殺菌性試験においては口腔内細菌であるPorphyromonas gingivalisを用いた。 仮着材除去後の各被着体に対する合着材の接着強さについて、試作仮着材、とくに粉液比を大きくした条件については、市販仮着材よりも大きな接着強さの値を示した。これは暫間修復物除去後の被着体に対する残存が市販仮着材は多く認められたのに対し、試作仮着材は各被着体それぞれに残存が認められないことが主な要因と考えられた。このことから、レジンの重合に影響を及ぼすとされるユージノールを用いた材料であっても、被着面の残存が少なければ、レジン系の合着材の接着強さに及ぼす影響は少ないことが示唆された。 Porphyromonas gingivalisに対する殺菌性については、試作仮着材、市販仮着材ともに認められた。試作仮着材の殺菌性はユージノールの細胞障害性によって出現したのではないかと考えられた。 以上のことから、試作材は仮着材としての所要性質を所持しつつ、殺菌性もあり、さらに合着材の接着強さに及ぼす影響も少ないことから、歯科臨床に有用であることが示唆された。
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