研究概要 |
過去にGas6が成熟破骨細胞に発現するチロシンキナーゼ型受容体Tyro3に直接作用し、破骨細胞の骨吸収活性を促進することをすでに報告しており、今回Gas6ノックアウトマウスを用いて骨の解析を行った。 1)Gas6ノックアウトマウスを用いた形態学的、組織学的検討 Gas6ノックアウトマウス及び野生型について8週における大腿骨、および脛骨を抽出し、X線および組織学的検討を行った。X線所見ではノックアウト、野生型ともに差は認められなかった。組織学的検討については現在解析中である。 2)Gas6ノックアウトマウスの全骨骨密度の測定 8週令マウス及び野生型について大腿骨及び脛骨を抽出し全骨密度を測定した。その結果、ノックアウト型で骨密度の低下が認められた。 3)in vitroにおける破骨細胞系性能の評価 8週令マウス野生型とノックアウト型について骨髄細胞を採取し、1,25(OH)_2 vitamin D_3(10^<-8>M)存在下、非存在下で5日間培養を行い、破骨細胞形成能について評価した。野生型、ノックアウト型ともにコントロール群では破骨細胞形成はほとんど認められなかったが、1,25(OH)_2 vitamin D_3添加群では多数の破骨細胞形成が認められた。 4)卵巣摘出術骨粗鬆症モデルマウスにおける骨量減少の評価 8週令メスのマウス(野生型、ノックアウト型)に卵巣摘出術を行い、3週後屠殺し大腿骨及び脛骨を抽出、骨密度測定及び組織学的解析を行った。その結果、野生型、ノックアウト型で著明な差は認められなかった。
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