研究課題/領域番号 |
16791277
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児系歯学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中村 渉 北海道大学, 病院, 助手 (60372257)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | サーカディアンリズム / 視交叉上核 / 電気活動 / in vivo / 恒常明 / 拘束ストレス |
研究概要 |
行動概日リズムとそれを駆動する視交叉上核の神経活動を直接的に対比させるため、マウス視床下部視交叉上核に慢性電極を埋め込み、無麻酔無拘束の動物から電気活動を連続記録した。さらに視交叉上核の主要な神経性出力中継核である下室傍領域および分界条床核の神経活動リズム位相を検討した。結果、マウス視交叉上核において明期に高く暗期に低い神経活動リズムを示した。環境の明暗サイクルに対する反応性の活動変動だけでない根拠として、動物を恒常暗の状態にした場合24時間よりやや短い概日周期でのフリーランを確認した。このフリーラン周期は行動リズムにみられるフリーラン周期と一致した。また、視交叉上核の電気活動はマウス輪回し行動と強い負の相関を示した。これまでに視交叉上核からのシグナル伝達物質を網羅的に検索する研究から、出力経路として下室傍領域の重要性とその伝達様式が明らかになっている。下室傍領域における神経活動は視交叉上核とは反対位相を示し明期に低く暗期に高かった。すなわち動物の行動リズムと一致し、動物を恒常暗条件に移した場合、行動との位相関係を保ちつつフリーランを示した。分界条床核は扁桃体からの入出力系の主要な終止部位のひとつである。解剖学的入出力や機能的解析から、分界条床核は情動刺激に対する行動および自律神経反応の表出に関与していることが示唆されている。分界条床核の神経活動リズムは視交叉上核リズムと同様、明期(活動休止期)に高く暗期(活動期)に低い概日リズムを示すことをみいだした。また、分界条床核の電気活動はマウス輪回し行動と強い負の相関を示した。この手法を用い、今回リズム動態を明らかにした中継核である下室傍領域および分界条床核、また睡眠・体温リズムの形成に重要であることが示唆されている視床下部背内側核、内側視索前野における神経活動リズムを記録しリズム同調位相決定機構の全貌を解明することが今後の課題である。
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