研究課題/領域番号 |
16791298
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児系歯学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
中村 均 日大, 歯学部, 講師 (60349967)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | リアルタイムPCR法 / HSV / 小児混合唾液 / HSV-1 |
研究概要 |
リアルタイムPCR法はPCR増幅サイクルごとにモニタリングすることができ、反応終了後も泳動することなく、反応終了後すぐに結果を得ることができる。この手法を応用すれば、短時間のうちにウイルス疾患の診断も可能である。昨年、我々はこの手法を利用して健康な幼稚園児および小学生において、約半数の混合唾液中にHSV-1が無症候排泄されていることを確認した。また、HSV-1検出率に年齢層による違いを認めた。 近年、HSV-1のみならず性行為の多様化によりHSV-2の外因感染時の口腔領域への侵襲をも免れない状況となり、低年齢児においても従来、経胎盤ないし出生時に起きる母子の垂直感染が多かったが、出生後の水平感染によりHSV-2に遭遇する機会も増え、潜伏感染している可能性が疑われた。今回、健康小児の混合唾液中に排泄されるHSV-2について検討したところ、約20%の小児にHSV-2が無症候排泄されており、これは1981年の10〜14歳のHSV-2抗体保有率8.0%と比較しても多い。ウイルスの検出と抗体保有率とを単純に比較はできないが、以前と比較し、多くの小児が低年齢期に既にHSV-2に遭遇し潜伏感染していると推測される。 全身疾患等を持つ小児の場合、再発性HSVにより症状が重篤化することがあり、再発の兆候が見られる際には、充分な抗ウイルス剤の投与が必要となる。この手法を用いれば、日常、小児に侵襲を与えることなくウイルス量の測定を行なうことができる。一方、比較的多くの小児においてHSV-2の潜伏感染が明らかになったことから免疫能の低下時には生殖器領域へのヘルペスの出現も考えられる。今後は口腔内へのウイルスの排泄量の変動について検討を行なっていく予定である。
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