研究課題/領域番号 |
16791317
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
歯周治療系歯学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
白方 良典 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (60359982)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 歯周組織再生 / 外科的歯槽骨欠損 / リン酸カルシウムセメント / 骨誘導因子 / エナメル蛋白 / ビーグル犬 / 医用ミニブタ |
研究概要 |
前年度までに、注入硬化型のリン酸カルシウムセメント(CPC)の外科的埋植が、歯周組織再生治療に応用できる可能性、およびCPC隔壁の作製が可能であることを確認した。一方、エナメルマトリックスデリバティブ(EMD)は歯周組織再生療法として頻用されているが残存骨壁性の少ない欠損への単独応用は適応とされていない。そこで本年、こうした欠損におけるCPC隔壁とEMDとの併用が歯周組織再生に及ぼす影響を検討した。ビーグル犬の両側下顎第4前臼歯近心と遠心部に作製した1壁性骨欠損において、1)歯肉剥離掻爬術単独(OFD)、2)EMD塗布(EMD)3)CPC埋植隔壁の作製(CPC)、4)CPC埋植隔壁の作製およびEMD塗布(CPC/EMD)の4処置を施し、観察期間10週後組織学的解析を行った。組織学的所見としてCPC埋植群ではCPC残留が一部認められたが、欠損歯冠側まで顕著な新生骨形成が認められた。歯根面に沿って新生セメント質の伸展、および歯根膜様組織が歯冠側まで認められた。CPC非埋植群では、歯根面に並走して薄い新生骨形成が認められた。新生セメント質形成に関してOFD群では、欠損底部に限局し僅かであったのに対し、EMD群では機能的な配列を有するシャーピー線維の埋入を伴った新生セメント質が認められた。CPC埋植群はCPC非埋植群より、またEMD群はOFD群より統計学的に新生セメント質形成量が多かった。これらの所見はCPC隔壁作製により、物理的遮蔽膜様作用、治癒スペースの確保、血餅、創傷治癒の安定化、骨伝導能の発現等が効果的に計られたことに起因すると考えられる。さらにCPC群とCPC/EMD群で治癒組織像に差がなかったことから、1壁性骨欠損においては、歯周組織再生療法の成績を向上させるため、埋植材等の効果的な利用により欠損形態の改善をすることが極めて重要であることが示唆された。
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