研究課題/領域番号 |
16791357
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎看護学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
佐藤 政枝 名古屋市立大学, 看護学部, 助手 (30363914)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 人工股関節全置換術患者 / 患者指導 / QOL / アセスメントツール / 環境移行 / 人工股関節全置換術 / 居住環境 / 生活動作 / 脱臼予防 |
研究概要 |
【目的】 本研究は、人工股関節全置換術(Total Hip Arthroplasty : THA)を受ける患者の手術前後の住生活実態と術後の環境移行の状態を把握することで、患者指導のためのアセスメントの指針を得ることを目的とした。 【方法】 研究方法は、股関節の変形性疾患でTHAを予定している患者8名を対象に、手術前後に自宅への訪問調査を行った。調査内容は、生活実態に関する聞き取り、VTR・写真撮影、家屋内の計測であった。研究に伴う倫理的な配慮については、名古屋市立大学看護学部研究倫理委員会の審査・承認を受けた後に、文書と口頭による研究協力者への説明を十分に行い、本人(家族)の同意を得た上で調査を行った。 【結果・考察】 対象(女性6名、男性2名)の年齢は32〜72歳で、有職者5名、無職者3名、世帯構成は独居2名、同居6名であった。疾患別では変形性股関節症7名、大腿骨頭壊死症1名、術式は初回THA6名、再THA2名であった。住居の形態は戸建て5名、集合住宅3名、居住年数は3〜29年であり、術前に住居の改修や道具の購入を計画している者はいなかった。調査結果より、THA後患者の指導に必要なアセスメントの指針として、以下の新たな知見が得られた。 1.術後の関節可動域の回復や著しい身体活動量の増加がみられる対象では、動作方法の変更や生活形態の変化が生じやすく、対象の回復過程を考慮した定期的な観察の必要性が示唆された。 2.術前に股関節の過屈曲が頻繁にみられる再THA患者では、脱臼回避動作の指導に加え、脱臼動作を避けるための居住環境の調整が不可欠である。 3.術前に床座の機会が多く、術後にも生活習慣の変容が期待できない対象には、道具を活用した安全な動作方法の指導と、道具の活用状況や動作方法の定期的な観察が必要である。 以上より、術前の住生活実態の把握や専門職による介入が、術後に起こりうる問題を早期に予測し、円滑な環境移行を進めるための個別指導に有効であることが示唆された。
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