研究概要 |
【目的】 思春期にある喘息児の,医療従事者との協働に関する認識を明らかにすること。(平成16年度に実施した思春期喘息児のコンプライアンス測定尺度の信頼性・妥当性の分析において,コンプライアンスの下位概念である医療従事者との協働に関して内容妥当性の検討が必要となった。) 【方法】 平成17年8月〜11月の期間において,愛知県内の大学病院(1施設)の小児科外来に定期的に通院している喘息児(13〜18歳)11名を対象とし,判構成的面接において,医療従事者との協働における自分の役割,医師の役割,看護師の役割,および医療従事者との協働において大切と考えていること等を語ってもらった.面接で得られたデータは逐語録に起こし,内容分析を行った。 【結果】 1)思春期児は自分自身の役割として,『医師への報告』,『指示された治療を守ること』,『生活の調整』があると認識していた。 2)医師の役割を,『自分にあった治療方法を見つける』,『治すための方法をアドバイスする』ことと認識していた。 3)看護師の役割には,『現実の役割』と『理想の役割』があると認識していた。 4)医療従事者との協働においては,『支援を実感できる』,『治したいという意思』,『治療に納得がいく』,『自立したいという思い』,『信頼』,『成果が実感できる』,『責任感』,『対話』が必要であると認識していた。 【考察】 1)思春期児は医師に対し,自分にあった治療方法を見つけ,具体的な方法をアドバイスしてもらいたいと望んでおり,その為には自分自身の症状や原因などを医師に報告することが必要であると認識していた。このように思春期児は医療従事者との相互作用のプロセスにおいて,自分自身の担う役割を遂行していた。 2)思春期児は,治療計画管理において主体的に参加することを望んでおり,思春期児の視点に立った目標設定と,それぞれの役割遂行をエンパワメントしていくことの重要性が示唆された。
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