研究課題/領域番号 |
16791448
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地域・老年看護学
|
研究機関 | 神戸市看護大学 |
研究代表者 |
小川 晃 (鵜川 晃) 神戸市看護大学, 看護学部, 助手 (70326320)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | ヴェトナム難民女性 / 妊娠 / 出産 / 産褥期 / 文化変容 / 文化の伝承 / 支援 / ヴェトナム人女性 / 難民 / 育児 / 母子保健サービス / 異国 / エスニックアイデンティティ |
研究概要 |
はじめに:移民・難民の調査では、PTSDを始めとするストレスや異文化適応からくる精神的問題などの概括的な報告は多い。しかし、女性のライフイベントの中でも大きな位置を占める妊娠・出産という生活に密着しかつ重要な問題の報告は、韓国、中国、ラテンアメリカ人を対象にした実態調査が散見されるのみである。本調査は、ヴェトナム人の移住国での妊娠・出産・産褥期の生活が歴史的にどのように変遷し、次世代にどのように伝承されているのか、また受け入れ国がそれに対してどのように関わってきたのか聞き取りによって探った。本研究は日本、ヴェトナム、カナダにて施行した。研究方法:バンクーバーと日本在住の、妊娠・出産を体験したヴェトナム難民、移民の女性28名。また母国での妊娠・出産における文化変容をさぐるため、ヴェトナム本国でも10名の女性に聴き取り調査を行った。調査方法:通訳を用い、バンクーバー、日本に来た経緯、生活適応状況、妊娠・出産・産褥期の問題について聞き取り面接を約4時間行った。倫理的配慮:調査の主旨について口頭、または文書を用いて説明し、承諾が得られた場合は同意書を取り交わした。結果・考察:今回の調査からは、妊娠・出産・産褥期の問題について、難民としてバンクーバー、日本にきた、もしくは呼び寄せにてきたグループには原文化のコンテクストを守ろうという傾向がみられた。乳幼児期にカナダ、日本にきた、もしくは生まれたグループは母国における妊娠・出産時の文化、習慣については「迷信的な考え」として捉えていることが分かった。ミクロな事象の中の文化の伝承の形態と、文化変容のあり方が観察された。また、出産時の入院生活における医療者の関わりついて様々な要望が聞かれた。個々人の文化的背景について理解を深め、支援を行うことが重要であることが分かった。
|