研究分担者 |
都司 嘉宣 東京大学, 地震研究所, 助教授 (30183479)
杉本 良男 人間文化研究機構, 国立民族学博物館, 教授 (60148294)
林 春男 京都大学, 防災研究所, 教授 (20164949)
松冨 英夫 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (20134083)
岡村 行信 産業技術総合研究所, 活断層研究センター, チーム長 (10356694)
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研究概要 |
2004年12月に発生し,インド洋全体に死者・行方不明者29万人以上という甚大な被害を及ぼしたスマトラ島沖地震津波災害の全貌解明のため,現地調査および衛星画像による被害把握,数値シミュレーションによる津波伝播特性の解析,激甚被災地における行政対応,被災者の津波意識に関する聞き取り調査を行った. 津波発生直後からインド(本土,アンダマン諸島),スリランカ,タイ,インドネシアスマトラ島,モルディブにおいて現地調査を行った結果,アンダマン諸島での地震による地盤変動と津波の来襲(2m前後)、スリランカで平均5-6mの津波、タイのインド洋沿岸で平均5m程度、震源付近のスマトラ島では30mを越える大津波が来襲していたことが分かった.また,スマトラ島バンダアチェ市街地に残らされた津波の浸水痕跡から津波の流況を推定した. 津波伝播の数値シミュレーション,衛星データの分析から,津波の波源域を推定した結果,インド・ビルマプレートの境界において長さ900キロメートル,幅150キロメートルの断層運動が津波発生に寄与していたことが分かった.ただし、余震域全体は津波波源よりもさらに北に延びており、断層運動全体のうちの津波発生に寄与した変動成分の解明には、インドやミャンマーなどの津波波源から北にある地域における津波高さを考慮しながら、さらなる分析が必要である。また,津波数値シミュレーションの結果とインド洋沿岸諸国の人口統計メッシュデータを統合し,津波の影響人口を求めた結果,約4メートル以上の津波に対して影響を受ける人口が約30万人と推定された.
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