研究実績の概要 |
音象徴語彙の包括的調査を通して、日本語・韓国語・英語における音象徴現象の形態的・音韻的特殊性を質的・量的に検証した。本年度得られた成果は以下の通りである。 Glossa, Laboratory Phonology, Language Sciencesという3つの国際誌に、日本語・韓国語・英語に関する論文を発表した。いずれも言語の類像性に関するものであり、1つは日本語の重複形オノマトペ(擬音語、擬態語)をCanonical Typologyの理論的枠組みで論じたもの、1つはそれを実験的に検証したもの、もう1つは韓国語のオノマトペにおける母音調和と類像性の関係を数量的に探ったものであった。 ソウル大学、韓国大学、ブライトン大学、国立国語研究所で開催された国際学会にて研究発表を行った。それに基づく論文のうち、1本が印刷中、1本が査読中である。 国内外の研究者との共同研究が進行中である。秋田喜美氏(名古屋大学)とは、日本語のオノマトペに関する理論的研究を、京都大学で行われたワークショップにて発表した。増田桂子氏(中央大学)とは、日韓音象徴に関する論文を執筆し、現在国際誌にて査読中である。Jan Auracher氏・Hideaki Hoshi氏(マックス・プランク実証美学研究所)および秋田喜美氏とは音象徴の通言語実験を行い、国際誌にて論文が査読中である。 名古屋大学にて研究会を発足させた他、中心的な国際誌(Linguistics, Linguistic Typology, Glossa)やJohn Benjamins社から出版予定の論文集について論文査読を行った。
|