研究課題
特別研究員奨励費
Felix E.Feiten博士との共同研究成果について報告する。(1) 燃料電池における高活性化の中核を担う酸素還元触媒について、in situ条件下の偏光XAFS法の測定を展開した。とくに、HOPG基板上にArc Plasma法によりPtナノ粒子とPtナノ合金粒子を展開した。HOPG基板を用いているため、Pt量は10^15 個cm^-2と微量であり、高感度なXAFS測定が必要である。そこで、BCLA+BI-XAFS法という高感度XAFS測定法を開発して、適用した。その結果Pt-Ptの結合距離を精度良く決定することができた。特にPtCoNAuナノ粒子では高活性と高耐久性を示す。XAFS測定の結果、CoNをコアとし、その周辺にPtをシェルとしたコアシェル構造で存在し、そのPt-Ptの結合距離が2.74Aと通常のPt-Ptの結合距離より短くなっていることを見いだした。また、AuはPtの表面のステップサイトに有り、白金の溶解を防いでいることがわかり、失活防止の原因を解明した。(2) このBCLA+BI-XAFS法は高感度でXAFSを測定するだけでなく、Range Extended XAFS法が通常の装置でもできるところに特徴がある。元素番号が隣同士のPtとAuが共存すると互いに干渉し、XAFSを測定することができないが、BCLA+BI-XAFS法ではそれぞれの信号を分離することができ、干渉なく測定できるRange Extended XAFSが可能であることを見いだした。これにより、PtのXAFSを精度良く測定できた。(3) さらに、超高感度を実現するために特殊な電気化学測定XAFSセルを開発し、これまで全く測定ができていない10^14 個cm^-2の測定にも成功した。以上の結果は1報の論文に発表し、現在2報を投稿中である。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)
The Chemical Record
巻: 18 号: 7 ページ: 1-18
10.1002/tcr.201800020
http://www.cat.hokudai.ac.jp/asakura/