Task Based Instruction(以下TBI)とは、学習者が与えられたタスク(課題・問題)を解決する時におこる言語使用が言語発達を促すという考え方に基づいている。本研究では、そのTBIを通して、生徒の英語運用能力の向上とともに思考力、判断力、表現力向上にもつながる中学校の実際の授業での実践事例とその評価の開発を行った。 習得→活用→実践的運用の流れを基本的な学習過程の流れとし、活用と実践的運用の課程で、TBIの考えに基づいた活動(タスクを思考した活動、タスク活動、タスク)を行うこととした。①タスクを志向した活動Task-Oriented Activity(以下TOA)、②タスク活動Task Activity(以下TA)と③タスクTaskの3つの活動についての英語学習としての思考力・判断力・表現力をそれぞれ定義し、その結果を検証した。単元ごとにテーマと場面を設定し、それに応じた即興の対話を行い、意欲、表現、メッセージの3つの観点で評価を行い、その結果を検証した。思考力、判断力・表現力との関係は、状況に応じた語彙や適切な文法事項を考え、選択し(思考・判断)、相手の話す内容に応じて適切に会話がつながるように(思考・判断)し、会話を続ける(表現)必要があり、活動全体を通して、思考力・判断力・表現力が問われることとなった。 TBIに基づいた指導法を授業に取り入れたことで、生徒は思考、判断、表現力の向上にも一定の効果があることが検証からわかった。また、今回の教材は教科書をベースにしたタスク活動であることと、タスクを3つの段階に分けたことで、多くの学校で取り入れやすいものになることと評価についても、筆記テストだけでなく様々なパフォーマンス評価に応用できることが期待できる。
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